まず約一〇万年の間人類は一種の精神的冬眠の状態にあったのでいかなる点でも
現在の最未開な自然民俗に比べて相隔ることいくばくもない有様であった。
我等は
現在の瞬間々々に於て本統に生きるものだと云つてゐる。
それと同時に、そうした繁劇な生活からやっと逃れることができて、暢気に図書館へでも来られるようになった
現在の境遇を喜ばずにはおられなかった。
恰も其氷屋の旗が、何かしら為よう/\と焦心り乍ら、何もせずにゐる自分の
現在の精神の姿の様にも思はれた。
それ故に一の意味または言語は、一民族の過去および
現在の存在様態の自己表明、歴史を有する特殊の文化の自己開示にほかならない。
とにかく自分の
現在の生活が都合よくはこびうるならば、ブルジョアのために、気焔も吐こうし、プロレタリアのために、提灯も持とうという種類の人である。
それゆえにその人たちは
現在の環境が過去にどう結び付けられてい、未来にどう繋がれようとも、それをいささかも念とはしない。
それは高い窓からも折々うかがわれる風景であったが、ほんの一瞬間ではあるが、それは自分の
現在の境遇を忘れさせてくれるに足るものであった。