私は曾て眼下に見下した小田原のあの澄みきつた街の灯を思ひだしながら
生き生きと彼に言つた。
あいつは大変な助平爺いだ!」酔つてゲーテを語る時、牧野さんの
生き生きとした時間がそこにもあつた。
彼が自分とは何者かハッキリ答へるやうになつたのは全く近頃のことであり、はじめて彼はいくらか
生き生きと自分は何者か、自覚した様子であつた。
まず賤しからず貴からず暮らす家の夏の夕暮れの状態としては、
生き生きとして活気のある、よい家庭である。
それは人の心を撲たずにはおかない、不思議な、
生き生きとした、美しさだ。
少女の眼はこの耶蘇を見る毎に、長い睫毛の後の寂しい色が、一瞬間何処かへ見えなくなつて、その代りに無邪気な希望の光が、
生き生きとよみ返つてゐるらしかつた。
マコの伝へたクリストは現実主義的に
生き生きしてゐる。
したがって駈け出しの演出者こそ最も
生き生きした演技を彼らから抽き出し得る機会に恵まれているというべきであろう。
そのなかでもわかっていることは、精神の諸作用を過分に身につけている人にとっては、これこそなによりも
生き生きとした楽しみの源泉である、ということだ。