残肴が姿を出すような忙しい時は、料理人は疲労した上、残肴の整理など大変だと事務的に考えがちのものだが、生かさずにはおれないという
生一本の性根がほしい。
我々の考へでは菊か桜か白鷹のそれも純粋な
生一本だらうといふのであつたが、訊いてみるとこれが地酒の朝日山であつた。
これは貴方、田舎出来で、沢山甘くはござりませぬが、そのかわり、皮も餡子も、小米と小豆の
生一本でござります。
この限りでは菊池寛も、文壇の二三子と比較した場合、謂う所の
生一本の芸術家ではない。
彼は歯のまばらに脱け落ちた、人品のよくない、真黒に日に焼けた百姓爺であつたが、何処か
生一本な、律儀さうな処の見える五十年輩の男であつた。
鮎は鮎の味
生一本を賞味するのでなければもったいない。