時に、その年は、獲ものでなしに、巣の白鷺の
産卵と、生育状態の実験を思立たれたという。
産卵が終わると、雌雄一対の鰍は、流れの上下に別れて卵を見張り、外敵を防いでいるのである。
そこで、山女魚が鰍の
産卵場を発見すると、鰍夫婦をその場から追い払って、卵を食ってしまうのではないだろうか。
それが
産卵し、卵を孵化して子を育てるに至ると、まことに食うに堪えないまで肉質が下落するのである。
山女魚は、秋から冬にかけて
産卵するとばかり思っていたのに、初夏に至るまで抱卵しているのは妙だ。
また夏になると、二、三百匁の中鯛は十尋前後の岸に近い浅場へ出てくることもあり、
産卵期になると毎年同じコースを大洋から遠く内海の方へ移動をはじめる。
産卵のために外洋から、この湾内へ乗っ込んできたものらしく、くびと背の鱗に暗紫色の艶がういていた。
これは、
産卵後の体力の回復していない魚であるから、食べても甚だおいしくない。