役場のある東箱田と、私の村との、ほぼ中間に殿田
用水の石橋がある。
青年は袷の襟を押さえながら急ぎ足でやってくると、殿田
用水の橋の真ん中に、大しゃもじが路を塞いで立っているではないか、あっとのめって、そのまま気絶した。
四方板塀で圍まれ隅に
用水桶が置いてある、板塀の一方は見越に夏蜜柑の木らしく暗く繁つたのが其頂を出して居る、月の光はくつきりと地に印して寂とし人の氣勢もない。
翌日、雨の晴間を海に行く、箱根のあなたに、砂道を横切りて、
用水のちよろ/\と蟹の渡る處あり。
玉川上水は、啻に東京市内に入りて、飮用に供せらるゝのみならず、
用水として田に引かるゝもの、二十餘處の多きに及べり。