記者が掛けた声に、思わず力が入って、運転手がはたと自動車を
留めた。
御伽草子には、多少「蛇子型」の姿を
留めたのがあり、微かに、小栗物語の我が国産なるを示してゐる。
何心なく、背戸の小橋を、向こうの蘆へ渡りかけて、思わず足を
留めた。
供の義助がようよう気がついて彼女を抱き
留めた時、四郎兵衛はもう二つ三つの貝殻に顔をぶたれて、眉のはずれや下唇から生血が流れ出していた。
いつまでもこの世に
留めたいと思ふ物を作るために、東洋でも、西洋でも、あるひは何処の極でも、昔から人間が努めてゐる姿は目ざましい。
彼は物事に拘泥しない性質で、十数年の警察生活の後現在の新聞社長の椅子につくまで、いろ/\の出来事を手帳に書き
留めたり、書類の整理をしたりした事は殆どなかった。
割合に身が大きく命を取
留めた魚は川下に下れる限り下つたのもあり、あるものは真水の出づるところにかたまつて喘いでゐるのもある。