一ツの鋸でも、素人といふものは、使つてへ
らすより、扱ひ方が悪くて、無用のものにして了ふ方が多い。
それに又いろいろの作り話も加わって、かの女は清水山の洞穴に年ひさしく棲む大蛇の精であるなどと、云いふ
らす者も出て来た。
中には異人が魔法を使うの、狐を使うの、鼠を放すのと、まことしやかに云い觸
らす者もある。
さて、その花達に夜の間宿った露、朝日が射せば香わしいほのかな靄となって私達のもすそをしめ
らす。
……
らすほどそのなかから赤や青や朽葉の色が湧いて来る。
若し違つてゐるとすれば、芝居の喧嘩は僕の上へ危険を齎さないにも関らず、往来の喧嘩はいつ何時危険を齎
らすかもわからないことである。
が
らす砕け失せし鏡の、額縁めきたるを拾いて、これを焼くは惜しき心地すという児の丸顔、色黒けれど愛らし。