若し今の軍隊と
監獄とに使ふだけの費用が初めより教育と衛生と生産業に投し尽されて、其途を得たならば確かに今の刑法なるものは不必要となると、我等は信ずる。
目はその間も額縁に入れた机の上の玉葱だの、繃帯をした少女の顔だの、芋畑の向うに連った
監獄の壁だのを眺めながら。
彼等は仇を取った後、警官の捕縛するところとなり、ことごとく
監獄に投ぜられた。
お君は
監獄の中にいる夫に、赤ん坊を見せてやるために、久し振りで面会に出掛けて行った。
汽車に乗って遥々と出てきたのだが、然し母親が考えていたよりも以上に、
監獄のコンクリートの塀が厚くて、高かった。
私が死刑を期待して
監獄に居るのは、瀕死の病人が施療院に居るのと同じである、病苦の甚しくないだけ更に楽かも知れぬ。
僕に中世紀を思ひ出させるのは厳めしい赤煉瓦の
監獄である。
本年の三月に僕がちょっと東京
監獄へはいった時にも、やはりこの老看守は、その十二年前のやはり三月に僕が初めて見た時と同じように、まだこの前科割りを続けていた。
監獄の湯は、どこでもそうらしいが、大勢一緒にはいる大きいのと一人ずつ入れる小さいのとがある。
彼はクロンプトン・マッケンジイがどうとか言ったかと思うと、ロシアの
監獄へは、牢やぶりの器械を売りに来るとかなんとか言う。