どちらを見ても蜜柑の葉ばかりだが、
目ざした金色の実はほとんど眼の中へ這入つて来ない。
貴族の間に流行した私学の建設も、政治社会に於ける、同族の繁栄を
目ざして居たのである。
市井の俗人すらその忙がしい銀行事務の折折には一鉢のシネラリヤの花になにとはなきデリケエトな
目ざしを送ることもあるではないか。
たまたまきこりに会えば道を聞き聞き、鬼の岩屋のあるという千丈ガ岳を一すじに
目ざして、谷をわたり、峰を伝わって、奥へ奥へとたどって行きました。
ないところから、のっしのっしと浜街道を十三里ひと日にのし切って、群なす旅人の影に交りながら、ふらりふらりとお城下
目ざして原ノ町口に姿を現しました。
こんなことを兄弟が、話し合っているときに、ちょうど昨日の黒いちょうが、どこからかゆりの花を
目ざして飛んできました。
私が
目ざしてゆくのは杉林の間からいつも氷室から来るような冷気が径へ通っているところだった。
ほんのりとして、床しく薄いが、夜などは灯に御
目ざしも黒く清しく、法衣の色がさま/″\と在すが如く幽に濃い。