道学も説教もこれを説破するを得ぬ「ぬきさしならず身に沁みる面白さ」の力を、彼等の芸術中に
看取することは出来るであらう。
これは小島君の小説よりも寧ろ小島君のお伽噺に
看取出来ることゝ思います。
どっちの場合も、人様のおかげをもって、どえらい傍杖的被害を喰う虞れが十分に
看取されたものだから、どうして落付いていられようか。
恐らく、これらの現象が特殊な専門雑誌、乃至は研究劇団のつつましい仕事を通してのみ
看取し得るといふ事情に原因してゐることと思ふ。
これは決して臆測には無之、少女の顔を一瞥致し候はば、誰にも
看取出来ることに御座候。
更に、日露戦争後に到っても独歩がやはり軍事的ブルジョアジーのイデオロギーに立っていたことは、「号外」「別天地」等の小説によって
看取される。
さう云へば遺書の文字さへ、鄭板橋風の奔放な字で、その淋漓たる墨痕の中にも、彼の風貌が
看取されない事もない。
併しこの書を通讀する人が行間に於いて
看取するを得べきが如く、自分は次第に此の類の告白、若しくは告白めきたる空想及び思索をしてゐるに堪へなくなつて來た。