八十吉、清松も血気の若者、海に生れ、海に生きるからには、魔魚毒蛇の棲みかともはかられぬ遠く南海の底をさぐって、白色サンゼンたる大きな
真珠を採ってみせたい。
噴きあげは
真珠の雨のやうなうつくしい音を立てて滴るのである。
やがて真佐子の顔の痙攣が激しくなって月の出のように
真珠色の涙が下瞼から湧いた。
夏の雨のゝちの月こそ見所あれ、槇、しばなんどの、木の葉にきらめきて、こずゑ葉末に
真珠の玉見ゆ。
「マア、非常に綺麗な腕環が入って居る」と、夜光珠や
真珠の鏤めてある、一個の光輝燦爛たる黄金の腕環を取出した。
私は先達ても今日の通り、唯一色の黒の中に懶い光を放っている、大きな
真珠のネクタイピンを、子爵その人の心のように眺めたと云う記憶があった。
ところが、わたくしは偶然にも、
真珠のような美しいものを一昨年の秋、上京の途上にその車中で眺めたのである。
もし黄金、瑠璃、
真珠を尊としとせば、処女の純潔は人界に於ける黄金、瑠璃、
真珠なり。
それから、日本人は、
真珠か何かの力で、起死回生の法を、心得てゐるさうであるが、それもマルコ・ポオロの嘘らしい。
なぜといって、一枚一枚の貝がらには、それひとつでも女王さまのかんむりのりっぱなそうしょくになるような、大きな
真珠がはめてあるのでしたからね。