(三)ちっと
硬いものを切りたいのだが、よく切れるかイ。
そして
硬い物質で出来あがっているから、相当乱暴に取扱っても壊れたり擦り減ったりすることがない。
キーイッ、カンカンカン、
硬い金属が、軋み合い、噛み合うような、鋭い悲鳴だった」
このへんで、
硬い話の筆を置くこととし、次にこの書に収めた作品についてすこしばかり作者の感想を綴らせてもらう。
硬い老幹と、精悍な痩せた枝の緊密な組み合せは、鋼鉄と鋳鉄を混ぜ合せて作つた廊門を想はせる。
俺にはまだ左腕もあれば両脚もあるし、
硬い歯の生えている口もあれば、太い頸もあるというんだ。
「さあ、手のひらの
硬い工合がどうも才蔵じゃねえかと思いますが……」
硬いような、柔らかいような、なんともいえない一種特別の物質である。
これは手術に電気メスを使うようになって、厚い皮膚でも、逞しい肉塊でも、それからまた
硬い骨でも、まるでナイフで紙を裂くように簡単に切開できるせいだった。