刈つたあとの
稲株が泥田の面にほちほちと列をなし、ところどころに刈らない
稲が、不精たらしい乱髪の様に見える。
瓜は作らぬが近まわりに番小屋も見えず、
稲が無ければ山田守る僧都もおわさぬ。
顔色は二人共雪のように白く、おさげに黄金の
稲飾りを付けて、一人は赤の、一人は青のリボンを結んでおりました。
谷間には、
稲の切株が黒くなって、そのまゝ残っていた。
つまり頭の中にある
稲と眼の前にある
稲との二つをアイデンテイフアイすることが出来なかつたのだがね。
僕は徳二郎のあとについて田んぼにいで、
稲の香高きあぜ道を走って川の堤に出た。