すると紅庵は、さういふ伊東伴作の内兜を見透したやうな
穿つた調子で再び言葉をつぎたし、
この一物の一発たるや、銀山摧くべし、鉄壁
穿つべし、姦※の人の国に仇をなす者、之に触るればたちどころにその魄を喪ふべし、まことに稀代な珍品だ。
城内に大穴を
穿つて、そこに優人を喚んで、遊楽に耽つた城人なる、大奥の女中めいたものもあつた。
果たまた、壁の彼方に明るき世界あることを感知して、第一にその壁に孔を
穿つ明智と勇気の独専者なのか。
それもどうしてこの濃い霧を
穿つてこゝまで照らしてゐるかと、不思議に思はれる位である。
おほ岩を
穿つたトンネルが多く、荷車、荷馬車などはとても通れない。
教会内にて、つまらぬ批評眼をもつて他の小悪小非を
穿つものには、教会内の小善小仁すらも旌し易からず、而して今日の教会の多数は斯くの如くなるを悲しむなり。
原始時代そのまゝで幾千年人の足跡をとゞめざる大森林を
穿つて列車は一直線に走るのである。
一三 屋を葺くに粗なれば雨漏るが如く、心に修養なくんば、貪欲之を
穿つ。