不精者らしいことは、その大きく
突き出た顎のじじむさいひげが物語っている。
十年前、熊野に旅して、光り充つ真昼の海に
突き出た大王个崎の尽端に立つた時、遥かな波路の果に、わが魂のふるさとのある様な気がしてならなかつた。
それが、丁度、地下から
突き出て来るように、一昨日よりは昨日、昨日よりは今日の方がより高くもれ上って来た。
水に
突き出た高島城、四万石の小大名ながら、諏訪家は仲々の家柄であった。
その棒を身体の前へ
突き出し
突き出しして、畑でもなんでも盲滅法に走るのだそうである。
私は彼の顴骨が異樣に
突き出し兩眼が深く落ち窪んで、この一月の間にみるめもなく衰えているのを見た。
右を見ても左を見ても眼のとどくかぎり、恐ろしいくらいに黒い
突き出た絶壁が、この世界の城壁のように長くつらなっている。
そして倒れるときに、彼女の屍衣がなにか内側に
突き出ていた鉄細工に絡まった。