足もとは暗いが、木の梢だけは、夜の空にかっきりと黒く張って、穂高の輪廓は、ボーッと、物干棹でも
突き出したように太く見える。
そして、父が寝巻き姿のまま起き上って来て、母を邪慳に部屋の外へ
突き出したことをも。
ジョヴァンニは、老婦人の言うがままにただ機械的に窓から首を
突き出して見たが、パドゥアの日光が南イタリーの日光のように陽気だとは思われなかった。
心中の相手を捜すんじゃあるめえし、だんなほどの人気男がぼんやり往来ばたへつら
突き出して、なんのざまです。
その棒を身体の前へ
突き出し突き出しして、畑でもなんでも盲滅法に走るのだそうである。
待つことしばらくして、盆で
突き出したやつを見ると、丼がたった一つ。
彼らが参詣人から与えられる小額の銅貨を受け取るため、絶えず前に
突き出している手にはほとんど五指がなかった。