とげというか、針というか、あのくちゃくちゃと
突き出た奴がないのだ。
不精者らしいことは、その大きく
突き出た顎のじじむさいひげが物語っている。
十年前、熊野に旅して、光り充つ真昼の海に
突き出た大王个崎の尽端に立つた時、遥かな波路の果に、わが魂のふるさとのある様な気がしてならなかつた。
眼を開くと、窓際に
突き出た青い楓の枝が繁っている。
水に
突き出た高島城、四万石の小大名ながら、諏訪家は仲々の家柄であった。
右を見ても左を見ても眼のとどくかぎり、恐ろしいくらいに黒い
突き出た絶壁が、この世界の城壁のように長くつらなっている。