杖の尖が、肩を抽いて、頭の上へ
突出ている、うしろ向のその肩が、びくびくと、震え、震え、脊丈は三尺にも足りまい。
午後三時を過ぎて秋の日は暮れるに間もあるまいに、停車場の道には向わないで、かえって十二社の方へ靴の尖を廻らして、衝と杖を
突出した。
」と莞爾々々しながら、勢よく、棒を
突出したようなものいいで、係構なしに、何か嬉しそう。
また鼻から出たにしたところで、鼻先から一尺四、五寸も前へ
突出した食指の上へ、豆粒程の大さだけポタリと落ちる道理はないのだ。
その他、鮨の材料を採ったあとの鰹の中落だの、鮑の腸だの、鯛の白子だのを巧に調理したものが、ときどき常連にだけ
突出された。
廂を長く
突出した低いがっしりした二階家では窓から座敷に積まれているらしい繭の山の尖が白く覗かれた。
藍碧の海をへだてて長く
突出した緑色の岬の端には、眼の醒めるような一群の白堊館が、折からの日差しに明々と映えあがる。
「はい」少女はわざと、いふことを素直に聴く良い子らしい声音を装つて返事しながら立派に大きく両手を
突出した様子が蔦の門を越した向うに感じられた。
太平洋に
突出する北海道の東南端、襟裳岬のもとを南海岸から東海岸に出るには、本道三難道の一なる猿留山道を踏まなければならない。
城下より来たりて源叔父の舟頼まんものは海に
突出し巌に腰を掛けしことしばしばなり、今は火薬の力もて危うき崖も裂かれたれど。