こんな男の顔
立ちといふものは何処に転がつてゐても目立たない風の極めて通俗的なあれだと読者はきめてしまつたに相違ない。
文部大臣が、希臘劇の発達より説き起して、大に演劇奨励の演説をやつてゐる最中、聴衆が総
立ちとなる。
僕は土間のまん中に
立ち、機械的に巻煙草に火をつけたりした。
ひそかに死骸を抜け出すと、ほのかに明るんだ空の向うへ、まるで水の※や藻の※が音もなく川から
立ち昇るように、うらうらと高く昇ってしまった。
先生此逆境に
立ちて、隻手羅曼主義の頽瀾を支へ、孤節紅葉山人の衣鉢を守る。
立ちながら三人で、近々出さうとしてゐる同人雑誌『新思潮』の話をした。
医者は彼の先に
立ちながら、廊下伝ひに或部屋へ行つた。
僕はけふ往来に
立ち、車夫と運転手との喧嘩を眺めてゐた。
相手の将校は、頬の日に焼けた、眼鼻
立ちの鮮な、濃い口髭のある男であつた。
その節父の申し候は、涼風の
立ち次第秀林院様へお暇を願ひ、嫁入り致させ候べしとのことに御座候。