かなり大きな
三階建のビルディングを全部使っている相当な大会社である。
……ええ、宿直室は、用務員さん達のが地階で、私達のは
三階の裏側に当っています。
男はかれこれ二週間ばかり、彼等が窮屈な思いをして来た、日当りの悪い
三階の部屋が一瞬間眼の前に見えるような気がした。
三階は後で判ったことだがこの雑貨貿易商である娘の店の若い店員たちの寝泊りにあててあり、二階の二室と地階の奥の一つ、これも貸部屋では無かった。
それは
三階の端に近いところで、一日ぢゆう絶対に陽の射す気づかひはなく、障子を立てると昼すぎの一番明るい時でも持つて来た小型本を読むのが苦労だつた。
草の庵でも、コンクリート建築の築地本願寺でも、アパートの
三階でも信仰の身をおくことは随意である。
三階にいるのだけれどもその音はほがらかにかわいた空気を伝って葉子の部屋まで響いて来た。