年若い夫婦たちが未来の設計を胸にえがいて、生れてくる子供を指折り
算えて待つような気持は、私にはなかった。
可懐いその姿を見るのも、またこの旅の一興に
算えたのであったから——それを思出して窺ったが……今日は見えぬ。
野田山に墓は多けれど詣来る者いと少なく墓守る法師もあらざれば、雑草生茂りて卒塔婆倒れ断塚壊墳
算を乱して、満目転た荒涼たり。
これだけの兜をこしらえるには、何貫文の銭が要るだろうなぞと、余計な
算当をしながら見とれているのもある。
平太郎は知行二百石の側役で、
算筆に達した老人であったが、平生の行状から推して見ても、恨を受けるような人物では決してなかった。
これだけの兜をこしらえるには、何貫文の銭が要るだろうなぞと、余計な
算当をしながら見とれているのもある。
建築家の役々として其業に従ふや、幾多の歳月を費して後、確かに巍乎たる楼閣を起すの
算あり。
どうぞそれを、お聞きあそばして、いろはでも、数字でも、お
算えあそばしますように」
今更に歳の数を
算ふるもうるさし、兎に角に我は数尺の牢室に禁籠せられつゝあるなり。