おばあちやんの家はきれいに片づいて、食器は戸棚に、着物はたたんで乱ればこに入れてあり、どこへ出かけると書き残した
紙きれもなかつた。
これは普通の色紙でなく、その時節にかぎって市中の紙屋で売っている薄い短尺型の廉い
紙きれであるが、この時にも大きい子供はほんとうの色紙や短尺に書くのもある。
といって、じいさんは三枚の赤い小さな
紙きれを出して、三人の娘に渡したのでありました。
そして、おじいさんが、こくり、こくりと居眠りをしますと頭の上に
紙きれをのせたり、背中に旗などを立てておもしろがって笑ったものです。