おぼろ/\と霞むまで、暑き日の静さは夜半にも増して、眼もあてられざる野の
細道を、十歳ばかりの美少年の、尻を端折り、竹の子笠被りたるが、跣足にて、
紳士は、めったに人の通らない、青田の中の
細道を歩いて、右を見たり、左を見たりしながら、ときどき、立ち止まっては、くつの先で石塊を転がしたりしていました。
それを踏んで雜木林の間にある一條の
細道を分けて行くと、黄勝ちなすゞしい若葉のかげで、私達は旅の商人に逢つた。
そして町を離れて、野原の
細道をたどる時分にはまた、彼のよい音色が、いろいろの物音の間をくぐり抜けてくるように、遠く町の方から聞こえてきました。
途中でふとその詩碑のところへ行ってみる気になって海岸の道路を左へそれ、
細道を曲り村の墓地のある丘へあがって行った。
涯もない曠野、海に起伏す波に似て、見ゆる限りの青草の中に、幅二尺許りの、唯一條の
細道が眞直に走つてゐる。