いつぞやわたしが捉え損じた時にも、やはりこの
紺の水干に、打出しの太刀を佩いて居りました。
やはり、自分のように、
紺のヘルの制服を着て、外套を巻いて左の肩からかけて、麻のゲエトルをはいて、腰に弁当の包やら水筒やらをぶらさげている。
だから内供の眼には、
紺の水干も白の帷子もはいらない。
黒八の襟がだらしなくはだけて、
紺献上の帯がほどけたなり、だらりと後へぶら下がっているのを見ても、余程、酔っているらしい。
下人は、頸をちぢめながら、山吹の汗袗に重ねた、
紺の襖の肩を高くして門のまわりを見まわした。
下人は、頸をちゞめながら、山吹の汗衫に重ねた、
紺の襖の肩を高くして門のまはりを見まはした。
ようよう六つぐらいの子供で、着物も垢じみて折り目のなくなった
紺の単衣で、それを薄寒そうに裾短に着ていた。
朱雀綾小路の辻で、じみな
紺の水干に揉烏帽子をかけた、二十ばかりの、醜い、片目の侍が、平骨の扇を上げて、通りかかりの老婆を呼びとめた。
紺の飛白に書生下駄をつっかけた青年に対して、素性が知れぬほど顔にも姿にも複雑な表情をたたえたこの女性の対照は、幼い少女の注意をすらひかずにはおかなかった。
両側に桜並み木のずっとならんだ紅葉坂は急勾配をなして海岸のほうに傾いている、そこを倉地の
紺羅紗の姿が勢いよく歩いて行くのが見えた。