ところが塔内に入ってドアを
締め終った老看守は今度は身をすりつけるようにして急に声をおとすと、訴えるように言った。
文金高島田にやの字の帯を
締めた武家の娘が、供の女を連れて徐かにはいって来た。
お絹は緋縮緬の細紐をゆるく
締めながら年増の方を見かえった。
檜材のフレームを横に並べて、同じ檜材のボルトナットで
締めた上、紙を巻いてアスファルトを塗り、これを何回かくりかえし、地中に埋めたもの。
黄八丈の着物に鹿の子の帯を
締め、そしてお河童頭には紅いリボンを三つも結んでいるというのがそのころの妾自身の身形だった。
小男は、木綿藍縞の浴衣に、小倉の帯を
締め、無地木綿のぶっさき羽織を着、鼠小紋の半股引をしていた。
呟いたとき——、ドドンと打ち鳴らされたものは、馬首揃えろ! の
締め太鼓です。
白壁の別荘の中では、がたがたと戸を開けたり
締めたりする音がしてゐる。
狹い路地に入ると一寸佇んで、蝦蟇口の緩んだ口金を齒で
締め合せた。