今日ではこれ以上の和英字書も数種刊行されているが、その当時の我々は先ずヘボン先生の著作に
縋るより他はない。
苦痛を苦痛で紛らすやうに私はお前に
縋るのだが、それも結局、お前と私の造り出す地獄の騒音によつて、古沼のやうな沈澱の底を探りたい念願に他ならぬ」——
豊かな国のオコボレに
縋る方が、現実を救う最短距離なのである。
取
縋る松の枝の、海を分けて、種々の波の調べの懸るのも、人が縋れば根が揺れて、攀上った喘ぎも留まぬに、汗を冷うする風が絶えぬ。
彼は前にも幾度かそうして見たのであったが、もう一度機械的に黒繻子の襟を引き開け、奇蹟にでも
縋るようにぐっと胸へ手を差し入れた。
「過去」は運命之を抱きて幽暗なる無明に投じ、「現在」は暫らく紅顔の少年となりて、希望の袂に
縋る。
ひとへに寄
縋る、薄暗い、消えさうに、ちよろ/\またゝく……燈と言つては此一點で、二階も下階も臺所も内中は眞暗である。