東京の崎山某という紳士がちかごろ頻
繁に東京大阪間を往復して児子家に出入している。
だが、上体全体に、まるで、此晩街路に立ち籠めてゐた冷えた靄のやうに、すつと来て掩ひかぶさつて来る無意識感といふものが、もう/\頻
繁に襲ひかゝつて来る。
私は夏目さんとは十年以上の交際を続けたが、余り頻
繁に往復しなかったせいでもあろうけれども、ただの一度も嫌な思いをさせられたことがない。
が、取留めた格別な咄もそれほどの用事もないのにどうしてこう頻
繁に来るのか実は解らなかったが、一と月ばかり経ってから漸と用事が解った。
尤も沼南は極めて多忙で、地方の有志者などが頻
繁に出入していたから、我々閑人にユックリ坐り込まれるのは迷惑だったに違いない。
これは場所によって岩質の関係もあろうが、初夏から真夏へかけて東南の雨風を受け、頽雪の状態を頻
繁に起こすからである。
僕は長いあいだ船に乗っているので、頻
繁に大西洋を航海する時、僕は変な好みを持つようになった。
さて、此処で一言述べて置きたいのは、これまでも、頻
繁に問われたことだったが、この長篇を編み上げるに就いて、そもそも着想を何から得たか——と云うことである。