吹きさらしの中ではあるが、小屋に接した
羽目板の際であるから、風雨にうたれて汚れたような跡はなかった。
両親は死んで、その小屋は
羽目板が外れ、ペンペン草が生え繁り、蛇や蜂や野良犬の住家になっていた。
で、お宗旨違の神社の境内、額の古びた木の鳥居の傍に、裕福な仕舞家の土蔵の
羽目板を背後にして、秋の祭礼に、日南に店を出している。
ペンキは剥げ、
羽目板は曲み、窓ガラスは破れている、近よってみると間口五間奥行三間という木造平屋だ。
池はひつくりかへつても居らず、
羽目板も落ちず、壁の破も平時のまゝで、月は形は見えないが光は眞白にさして居る。