郵便という声も陽気に軽やかに、幾個かの郵便物を投込んで、そしてひらりと燕がえしに身を
翻えして去った。
ところが、
翻つて、抗議する側の、同じことを同じ調子で繰りかへす半身不随の症状にも、大に警戒しなければならぬ。
更らにまた
翻へつて、分業そのものに弊害がある訳ではなく、病的に発達した場合のみが悪いのであるか。
この高瀬舟の船尾には赤の枠に黒で彩雲閣と奔放に染め出したフラフが
翻つてゐる。
そこで
翻つて三円の果亭を見ると、断じて果亭だと言明する事が出来ないにしても、同様に又断じて果亭でないとも言明する事の出来ないものである。
翻つて僕自身のことを考へると、——尤も僕の小説は水上君の小説よりも下手かも知れない。
高踏派の壮麗体を訳すに当りて、多く所謂七五調を基としたる詩形を用ゐ、象徴派の幽婉体を
翻するに多少の変格を敢てしたるは、その各の原調に適合せしめむが為なり。
おのれ、命を受けつるはじめは、壯年鋭氣にして、おもへらく、「オクタボ」の注釋を
翻譯して、語ごとにうづめゆかむに、この業難からずとおもへり。