けれども、その屍体にたかる虫も
育つ心配がないのだから、一年もたつと、自然にみんな風化してゴミと帰し、天地自然の理にかなっている。
その実さういふ生態に同化して
育つてしまつたといふことには気がつかないだけの話であつた。
否々、しまひには自分の男の児が女として
育つて居り、自分の女の児が男として
育つて居ることさへ追々忘れて仕舞つたかのやうでありました。
世の中の父兄、先輩、教育家、道徳先生、皆多くは読書の習慣の無い時代に
育つたのだ。
唯だ何れも未開の国で野法図に
育つたお庇に歴史に功蹟を遺すだけに進歩しなかつたが其性質の勝れて怜悧で勇気のあるのは学者に認められておる。
義平次殺しの日は難波祭りらしく書いてあるが、私の
育つたのは、おなじ「八阪さま」を祀つても、社は別々の隣村であつた。
ほんの漫然たる文學青年の
育つたものに過ぎない事を、つく/″\思うてゐる。
しかし、芭蕉といへど、日本の文學者で、虚構の文學の畑に
育つた人である以上、虚構を如何にして眞實げに表さうといふ苦心をしたか、我々の考へるべきは、そこにある。