脳
膜炎どころの話ではなく、
膜を通り越して完全に脳そのものをやられてゐるのだといふ。
これをきいて、河童連中
膜のある青色の掌を拍つて妙案々々と叫んだぢやないか。
今日もまた、堀の水が半濁りに濁って、表面には薄く機械油が
膜を張り、そこに午後の陽の光線が七彩の色を明滅させている。
脳
膜炎どころの話ではなく、
膜を通り越して完全に脳そのものをやられているのだという。
あわびの腸の中にはドロドロしたものがあって、それを薄い
膜が包んでいる。
——ここにおいて、三月六日切開手術を行い、腹水中に浮游せる
膜嚢数十個を取り出せしも、予後の衰弱のため、その日永眠せり。
そして全体が火傷のあとのように引きつって見え、顔というよりも、むしろ何か極めて薄い
膜を根気よく張り重ねてこしらえた不規則な形の箱のような感じがした。