強靭な葉
茎と鋭く尖つた葉端は何ものも寄せつけまいとするやうな冷酷さを示してゐる。
透き通る様な青い若葉が門扉の上から雨後の新滝のやうに流れ降り、その萌黄いろから出る石竹色の蔓尖の
茎や芽は、われ勝ちに門扉の板の空所を匍ひ取らうとする。
わびしかるべき
茎だちの浸しもの、わけぎのぬたも蒔絵の中。
アンディーヴの戻
茎の群れは白磁の鉢の中に在って油の照りが行亙り、硝子越しの日ざしを鋭く撥ね上げた。
十坪程の表庭の草木は、硝子箱の中の標本のように、くっきり
茎目立って、一きわ明るい日暮れ前の光線に、形を截り出されている。
そら、大粒の赤玉、白玉のメノーを七宝の青い葉
茎がくっきりうけとめている、チューリップ!
が、さう思つてゐる内に、何やら細い
茎が一すぢ、おれの死骸の口の中から、すらすらと長く伸び始めた。
蘭はどこでも石の間に特に一、二
茎植えたものだった。