殊にからたちは
茨のようなトゲを持っているので、それを掻き分けるのは困難であると見做されていた。
蕪村であったか誰だったか、「花
茨故郷の路に似たるかな」は、似た方からの見方だ。
あべべい、酒は
茨だねえ、不快極る存在ぢやよ、と言ひながら。
茨の生える新畑は、谷から頂へ向けて、ところ斑に黝んでいた。
杜子美の梅雨の詩に云ふ、南京犀浦道、四月熟黄梅、湛湛長江去、冥冥細雨来、茅
茨疎易湿、雲霧密難開、竟日蛟竜喜、盤渦与岸回と。
われらが主の君はこの紅い
茨の上に、このわが口に、わが貧しい言葉にも宿つていらせられる。
この天国はもちろん
茨の中に薔薇の花の咲いた天国であろう。