倶知安まで汽車で参つてそれから
荷馬を用ひ随分と難儀していつたのでした。
ランカシヤの工服を着た象牙画のやうな少女が
荷馬車の上で笑顔をつくつて叫ぶ。
荷馬橇の馬は、狭霧の様な呼気を被つて氷の玉を聯ねた鬣を、寒い光に波打たせながら、風に鳴る鞭を喰つて勢ひよく駈けて居た。
おほ岩を穿つたトンネルが多く、荷車、
荷馬車などはとても通れない。
荷馬車の土方に怒鳴られる——その間に帽子は風の方向に走つてゆく。
荷馬橇の馬は、狹霧の樣な呼氣を被つて氷の玉を聨ねた鬣を、寒い光に波打たせながら、風に鳴る鞭を喰つて勢ひよく駈けて居た。
ジメ/\した田の上に家を建てゝ、そいつを貸したり、
荷馬車屋の親方のようなことをやったり、製材所をこしらえたりやっていた。
荷馬車の上には、スッポリと赤毛布を被つた馬子が胡坐をかいてゐる。