しかしこう物騒な世の中ではあるが、田の中にいて雑草を抜いたり、水車を踏んだりしている百姓は割合に
落ち着いている。
彼は、江戸に腰を
落ち着けて、二年ばかりゆっくりと市中を尋ね歩いた。
と思うと、どこか家畜のような所のある晴々した眼の中にも、絶えず
落ち着かない光が去来した。
その事件の性質がなんであるか、まるで見当が付かないで、半七はなんだか
落ち着かないような気持でそわそわと神田の家を出た。
しかもそのいたずら者が発見されないので、諸人の心は
落ち着かなかった。
彼は煙草を燻らしながら、この瞬間就職難の事を忘れて、
落ち着いた気持ちで木立の中を歩いていた。
青白い浮腫がむくみ、黝い隈が周囲に目立つ充血した眼を不安そうにしょぼつかせて、「ちょっと現下の世相を……」語りに来たにしては、妙にソワソワと
落ち着きがない。
そのいたく
落ち着きたる、これを頼もしと謂わば謂え、伯爵夫人の爾き容体を見たる予が眼よりはむしろ心憎きばかりなりしなり。
けれどもこの事柄は私の口ずから申し出ないと
落ち着かない種類のものと信じますから、私は東京から出て来ました。
広大な建物の中をぐるぐると引きまわされ、やがて与えられた独房のなかに
落ち着いた時には、しばらくはぐったりとして身動きもできないほどであった。