……女難にだけは安心な男にも、不思議に女房は実意があるから、これはそこらの、あやしげな煮豆屋が、あん
ぺらの煮出しを使った悪甘いのではない。
口の先きで喋べる我々はその底力のある音声を聞くと、自分の饒舌が如何にも薄ッ
ぺらで目方がないのを恥かしく思った。
特に教養があるというわけでもなく、さりとてうすっ
ぺらな女でもなさそうだ。
底野(二十八)が、薄つ
ぺらな座蒲団を二枚並べ、その上に寝転んで古雑誌かなにかを読んでゐる。
ところが、その途中で、老博士は急に話をそらせ、講演の原稿にも書いてないところの「火星兵団」について、
ぺらぺらしゃべりだしたのであった。
画品などというものは、捜し廻っても何処にもありはしません、下卑た品のない、薄ッ
ぺらなけばけばした絵ばかり目につきます。
一冊ごとの枚数、厚さというものもべつに定めていないから大そう部厚いものから極く薄っ
ぺらなものまで雑多である。
信仰のないモダンガール、モダン婦人は多くは薄っ
ぺらである。
動物の非利己的な自己犠牲的な愛のなかには、単なる人間のさもしい友情や薄っ
ぺらな信義をしばしば嘗めたことのある人の心をじかに打つなにものかがある。
といって潮の満干を全く感じない上流の川の水は、言わばエメラルドの色のように、あまりに軽く、余りに薄っ
ぺらに光りすぎる。