宿の二階から見あげると、妙義道につづく南の高い崖路は
薄黒い若葉に埋められている。
桜山の背後に、
薄黒い雲は流れたが、玄武寺の峰は浅葱色に晴れ渡って、石を伐り出した岩の膚が、中空に蒼白く、底に光を帯びて、月を宿していそうに見えた。
外洋である伊豆網代沖初島まわりの鯛釣り場でも、四、五月頃の春鯛釣りに居付き鯛と称される冴えた立派な鯛と、色の
薄黒い鯛とが釣れるのである。
見ると、彼は
薄黒い髭を生やして、睫毛の深い陰鬱な青白い顔の男であった。
いよいよおかしく思って戸をあけると、狭い小屋の中から
薄黒い煙りが一度にどっと噴き出して来て、一時は眼口もあけられない程であった。
ト錨が一具据つたやうに、間十間ばかり隔てて、
薄黒い影を落して、草の中でくる/\と※る車がある。