茶店の
裏手は遠近の山また山の山続きで、その日の静かなる海面よりも、一層かえって高波を蜿らしているようでありました。
農業の実習地は第七学級の教室の
裏手に続く畑だった。
その七丁目と八丁目の
裏手には江戸城の御賄組の組屋敷がある。
やはり同じ町内の酒屋の下女で、今年二十一になるお伝というのが、
裏手の物置へ何か取り出しにゆくと、やがてきゃっという声をあげて倒れた。
明治三十年三月十五日の暁方に、吉原仲の町の引手茶屋桐半の
裏手から出火して、廓内百六十戸ほどを焼いたことがある。
駒込富士前町の
裏手、俗に富士裏というあたりから、鷹匠屋敷の附近にかけて、一種の怪しい噂が立った。
神田明神の
裏手、江戸ッ児が自慢のご明神様だが、あの
裏手は、地つづきと言っていい湯島天神へかけて、あんまり賑やかなところではない。
と彼は、蹣跚というほどではないが相当の酔心地、ふらふら「恋鳩」の
裏手口を過ぎようとした時に……。
周囲は桜堤と丈余の建仁寺垣に囲まれていて、本堂の
裏手には、この寺の名を高からしめている薬師堂がある。
私は乳母に手を引かれて、あっちこっちと見て歩く内に、ふと社の
裏手の明き地に大勢人が集まっているのを見つけました。