けれども忘れることのできないのは、四谷見付から信濃町へ御所の
裏門を通る道で訊問を受けたことであつた。
其翌朝早く其処を立つて、一里ばかり田中の道を下りに、粉河寺の
裏門に辿り着き、御堂を拝し畢つて表門を出ると、まづ目に着いたものがある。
いいか、みんな夜中の十二時を廻ったら、
裏門前に集るんだ!」
コルネイユの「※つき」が稽古にかけられてゐるある日の午後、私は、恐る恐るヴィユウ・コロンビエ座の
裏門をくぐつた。
湯豆腐屋で名高い高津神社の附近には薬屋が多く、表門筋には「昔も今も効能で売れる七福ひえぐすり」の本舗があり、
裏門筋には黒焼屋が二軒ある。
本郷の加州家といや加賀百万石のあのお屋敷にちげえねえが、その
裏門の人はなんですかい、人は! だれがそんなところへ寝かしたんですかい」
不意に声をかけたのは、
裏門を守る宿直の守衛だった。
明治三十年八月十日、日暮れて松本裁判所の
裏門を出て、始めて監獄へ送らる。