質素に愉しく生きるすべをよく知つてゐた彼等である。
それが馬庭念流です、と
質素な百姓屋が先祖代々の正しい誇りを語っているように見える。
女中の
質素と従順をもつ素朴な妻は呂木を熱心に愛した。
新詩社は新宿よりの千駄ヶ谷の畑中の極々
質素な平家でありました。
(舞台正面、
質素な西の対屋の真向き、秋草の生い茂れる庭に臨んでいる。
その碑の前には一人の
質素な服装の独逸人の青年が、膝まずいて両手を確かり組み合せ、それを胸の前で頻りに振り廻していた。
生活を変えるとは言っても、加藤さんに家へ来てもらって、今までどおりに
質素に暮らして行こうというだけのことです。
だが、
質素な身なりと、碎けた物言ひぶりと、眉根に籠つた深く暗い顰みと、幅のある正しい肩つきと、これだけがわたくしの二葉亭氏から最初に受けた消し難き印象である。
そこには、
質素な装をした寂しい女が男を待つてゐたりした。