太陽をもとめて伊太利へ馬車を
走らせるエルテルの詩人を、彼等は最も救ひがたい本能の姿に於てはぐくんでゐた。
その頃は坊主の学校の先生以上に派手な夢を
走らせる自由がなくて、適々口をすべらして天下の政治家になりたいなどゝ言ひだすと、墨染の衣ひとつで勘当になるのであつた。
というのは、『冥路の国』の招きでエスキモーが橇を
走らせる。
このそりは、なにかことの起こったときに、犬にひかせて、氷の上を
走らせるのでした。
この事ばかり懸命に念じ主水は益々馬側をしめ付け乗っ立って
走らせるのであった。
銀行へ行くことも止め、他の会社に人を訪ねることも止め、用達をそこそこに切揚げて、車はそのまま根岸の家の方へ
走らせることにした。
二つの道をいかにすべきかを究めあぐんだ時、人はたまりかねて解決以外の解決に
走る。
しかも我々を
走らせる軌道は、機関車にはわかつてゐないやうに我々自身にもわかつてゐない。