日本人を寂しがらせる為に生れて来たやうな芭蕉も、江戸を一足
踏み出すと、もう大仰に人懐しがつて居る。
風俗史専攻の主人が、殊に昔の旅行の風俗や習慣に興味を向けて、東海道に探査の足を
踏み出したのはまだ大正も初めの一高の生徒時代だったという。
そこで、熊川忠範は大阪でこの洗ひ屋といふ商売をおぼえ、一人前の職人になると、仲間の誘ひに乗つて東京へ
踏み出した。
「せっかく、救けて頂いたようなものの、行先の覚束なさ、途中の難儀、もう一足も
踏み出す勇気はございません。
その蘆の根を、折れた葉が網に組み合せた、裏づたいの畦路へ入ろうと思って、やがて
踏み出す、とまたきりりりりと鳴いた。
さもなければ、日本は、
踏み出した足をさらはれ、ひろげた両手を捉へられること必定であります。
さもなければ、日本は、
踏み出した足をさらはれ、ひろげた両手を捉へられること必定であります。
良平は一足
踏み出したなり、大仰にぐるりと頭を廻すと、前こごみにばたばた駈け戻って来た。
張りついたやうに揃つた隊列を横から見ると一つ躯幹になつたが五六本の赭黒い足を力強く一時に
踏み出す。
その一歩を敢然と
踏み出すためには、われわれは悪魔を呼ばなければならないだろう。