日本を一歩
踏み出すと、どこの国でも全部小壜ばかりです。
彼等には新しき第一歩を
踏み出す力もなければアンビシヨンもないのである。
日本人を寂しがらせる為に生れて来たやうな芭蕉も、江戸を一足
踏み出すと、もう大仰に人懐しがつて居る。
「せっかく、救けて頂いたようなものの、行先の覚束なさ、途中の難儀、もう一足も
踏み出す勇気はございません。
その蘆の根を、折れた葉が網に組み合せた、裏づたいの畦路へ入ろうと思って、やがて
踏み出す、とまたきりりりりと鳴いた。
大学の門を一歩
踏み出すと、焼け残つた本郷の通りが、彼を現実の埃のなかに引きもどす。
乙——苦悶を苦悶として受け入れ、その苦悶を味ひ尽すことによつて希望への第一歩を
踏み出すのだ。
張りついたやうに揃つた隊列を横から見ると一つ躯幹になつたが五六本の赭黒い足を力強く一時に
踏み出す。
その一歩を敢然と
踏み出すためには、われわれは悪魔を呼ばなければならないだろう。