所謂「異教」の国人の私どもには、何の掛り合ひもないくりすますの宵の燈に、胸の
躍るを感じるのは、古風な生活の誘惑に過ぎまい。
轍に踏まれて
躍る橋板の上を曳かれて行くと、夜行で寝不足の瞼が涼しく拭われる気持がする。
尻は
躍るし、目はまわるし、振り落されないだけが見っけものなんだ。
騙詐が世渡り上手で正直が無気力漢、無法が活溌で謹直が愚図、泥亀は天に舞ひ鳶は淵に
躍る、さりとは不思議づくめの世の中ぞかし。
人間も、そこでは、自然と、山の刺戟に血が全身の血管に
躍るのだった。
また、威海衛の大攻撃と支那北洋艦隊の全滅を通信するにあたっては、「余は、今
躍る心を抑へて、今日一日の事を誌さんとす」と、はじめている。
顔に当る薄暮の風、足の下に
躍るトロッコの動揺、——良平は殆ど有頂天になった。
さきに湖畔にて見しより一層さやかなるに、いよ/\祈願は成就するなりと、心何となく
躍る。