Kさんのふだんはぼんやりと霞がかかったようにやわらかな顔が、
輪廓がはっきりして来て、妙に鋭くなっている。
然しとにかく弟達はそれの或程度迄には折れ合つて、私對弟等の或る一定した關係の朧ろな
輪廓が出來てゐた。
で「顔の
輪廓が四角いあの三味線の胴みたいな」と、そんな悪口を言う。
また山の頭のギザギザは、白くなったために、
輪廓がハッキリして、一本一本の尖りまで見える。
のみならず二三度見かけたところではどこかちょっと混血児じみた、
輪廓の正しい顔をしています。
暫くの間は、天幕の真ん中に据ゑてある、大きな煖炉の
輪廓が見えてゐた。
さうしてその十字架の上には、稚拙な受難の基督が、高々と両腕をひろげながら、手ずれた浮き彫の
輪廓を影のやうにぼんやり浮べてゐた。
夕靄が烟るように野末にたち罩め、ものの
輪廓が、ほの暗い、はるか遠方にあるように見えた。
建物の
輪廓が靄の中に溶けこんで、まるで空との境が解らないのです。