わたしが二十五の年明けまでは、おたがいに
辛抱が大事でござんすぞ」
俊寛は、一緒に陰謀を企てた連中の、こうした
辛抱のない、腑甲斐のない様子を見ていると、自分自身までが情なくなる。
己だって、腹がへるのや、寒いのを
辛抱しているのだからな。
その痛いのを
辛抱して、女のくせに両方の乳のあたりに蟹の彫りものを仕上げたんですから、それを見ただけでも大抵の者はぎょっとする。
以前私を喜ばせたどんな美しい音楽も、どんな美しい詩の一節も
辛抱がならなくなった。
談話の聽人は皆婦人で、綺麗な人が大分見えた、と云ふ質のであるから、羊羹、苺、念入に紫袱紗で薄茶の饗應まであつたが——
辛抱をなさい——酒と云ふものは全然ない。