此所にトムさんと言ふ至つてお人好しの
農夫がをりました、この村の人達は余りお人好しの事をトムさんのやうだとよく言ひますが、全くトムさんはお人好しでした。
するとたちまち道ばたに
農夫の子らしい童児が一人、円い石を枕にしたまま、すやすや寝ているのを発見した。
これは山里村居つきの
農夫、憐みの深いじょあん孫七は、とうにこの童女の額へ、ばぷちずものおん水を注いだ上、まりやと云う名を与えていた。
アイヌはそこに立ち止まって、若い
農夫の見当を遮ったまま、珍しい馬車での通行者を、いつまでも見送っていた。
農夫は、朝早くから飛び起きて、長い間の冬眠時代を、償おうとするかのように働いていた。
全くやろうという固い決心を抱いて、どんなことでもやる積もりだから仕事を見つけてくれという手紙を、
農夫ではありながら仲々交際の広い仲田に出して置いたのであった。
彼らの借りている家の大家というのは、この土地に住みついた
農夫の一人だった。
浅々と青く萌初めた麦畠の側を通りますと、丁度その畠の土と同じ顔色の
農夫が鍬を休めて、私共を仰山らしく眺めるのでした。
鍬かたげし
農夫の影の、橋とともに朧ろにこれに映つる、かの舟、音もなくこれを掻き乱しゆく、見る間に、舟は葦がくれ去るなり。