昔は音の清
濁は、其ほど正確ではなかつたのだから、かづらと
濁つてもよいので、寧、私の考へ方からいふと、かづらと言ふ方が統一がついて都合がよいのである。
濁醪を引掛ける者が大福を頬張る者を笑ひ売色に現を抜かす者が女房にデレる鼻垂を嘲る、之れ皆他の鼻の穴の広きを知て我が尻の穴の窄きを悟らざる烏滸の白者といふべし。
さうして、
濁つた止め桶の湯に、鮮かに映つてゐる窓の外の空へ眼を落した。
しかしさうした具合に賢かつた大學の博士達は天津教側から首音の
濁つた陰口言はれてゐるから、私は又どんな怨を受けるか測知り難い。
これで、發音に
濁みた所さへなかつたら、都の公家詞などは、とても及ばないだらう。
君はいつか『口語的發想』のことを云つたが、あれが一部分
濁つて今度の歌に出て居る。
溽暑蒸
濁の夏を背きて、冷々然として獨り涼しく逝きたまひぬ。
兩側の狹い淺い溝には、襤褸片や葫蘿蔔の切端などがユラユラした涅泥に沈んで、黝黒い水に毒茸の樣な
濁つた泡が、ブク/\浮んで流れた。