そしてその夕、甲府を経て右左口にゆく途中で、乱雲の間から北岳の一角を見て胸の
透くのを覚えた。
ここにその清きこと、水底の石一ツ一ツ、影をかさねて、両方の岸の枝ながら、蒼空に
透くばかり、薄く流るる小川が一条。
で、その尻上がりの「ですか」を饒舌って、時々じろじろと下目に見越すのが、田舎漢だと侮るなと言う態度の、それが明かに窓から見
透く。
実を付けた若楓の枝の下に池が在つて、底に
透く陽光の水の宙に篦鮒が、昨年孵つた一寸ばかりの子鮒を四つほど従へて鰭を休めてゐる。
が、初めの五分も見れば、それがどういうプロセスで、どうなってゆくか、ということがすぐ見
透く写真ばかりでは救われないと思った。