用
途が分化すれば、随つて、其意味もだん/″\変化して来る。
だから、のりと及びよごとが、即位式・大嘗祭・元旦朝賀に共通して用ゐられ、或は、其用
途が混同してゐるとさへ、見られるやうになつたのである。
川村節子さんは、火熨をかけながら空想した——きつとこの両袖は、全国のを集めて、何かお国の役に立つ用
途が考へられるに違ひないと。
科学思想は科学を奨励することによつてのみ高められるものではなく、技術者の前
途が恵まれてゐないといふのは、立身出世主義の標準で片づけられる問題ではない。
ですから、この時に私は更にもう一つ救ふ
途があると思ひます。
洋服を着た東洋豪傑がレコードの浪花節を聞いてゐれば世話はないやうなものゝ、この風俗が何時までも続くのかと思ふと、日本の前
途が案じられる。
かねて、張が水晶の珠で占いをすることは山木も河合も知っていたので、そういわれると何だか前
途が不安になって二人の顔色は曇った。
然しそこには自然にヒユウマニストの歩む
途が開けてゐます。
ですから私の就学した塾なども矢張り其の古風の塾で、特に先生は別に収入の
途が有って立派に生活して行かるる仁であったものですから、猶更寛大極まったものでした。
しかし生死ある人生に無死の生命を得るの
途が供えてあります。